胃カメラ検査(上部内視鏡検査)と胃透視検査(バリウムの検査)はどちらが良いの?
『先生… 胃カメラ検査(上部内視鏡検査)と胃透視検査(バリウムの検査)はどちらが良いの?』という質問をよく受けます。
あくまで私見であることをご理解の上お読みください。
胃透視検査は検査もその後も大変…
胃カメラは食事を抜くだけですぐに検査が受けられます。
慣れている方は鎮静剤(麻酔)なしでも実に上手に受けて頂きそのまま仕事に行かれる方もいます。
初めてで恐怖心がある方は鼻からカメラを入れたり、鎮静剤を使ってうとうとしながら受けて頂くことで非常に楽に検査を受けていただいています。
過去に鎮静剤での胃カメラを経験されたことがある方は、以後も鎮静剤を希望される方が多いというのが現状です。
胃透視検査には「カメラを飲む」というしんどさはありませんが、おいしくないバリウムを飲む必要があります…
検査台の上で頭を下げられたり斜めにされたり、あっちを向いたりこっちを向いたり…
バリウムが腸の中で固まらないように下剤で出さないといけない…など決して楽な検査とは言えません。
胃カメラ検査(上部内視鏡検査)には下記のような特長あります
(1)胃カメラは放射線を使いません
胃透視は放射線被爆がありますが、胃カメラにはありません。
小児や妊婦さんでも放射線の影響を気にすることなく受けて頂くことができます。
(2)胃カメラの方が高精度
検査の精密さでは比較にならないほど差があり、胃がん、食道がんの早期発見や胃炎の診断などには胃カメラの方が断然優れています。
また近年は胃透視を正確に読影できる(写真を正しく判断できる)医師が少なくなっているのも事実です。
(3)胃カメラは検査と同時に精密検査・診断も可能
胃カメラでは検査中に異常を見つけたら、顕微鏡のように拡大して詳しく見たり、そのまま生検(少しだけつまんで検査に出す)して診断することができますが、胃透視ではできません。そのため胃透視で異常を指摘された場合は後日改めて胃カメラを受けなければならないのです。
このような理由から、『胃カメラと胃透視(バリウムの検査)はどちらが良いの?』という質問を受けたときには胃カメラを勧めることがほとんどです。
特に(2)や(3)は重要な差だと考えております。
胃透視には胃透視なりのよいところもありますが、私自身は胃カメラを受けています。
ゆぐちクリニックでは『思っていたよりしんどくなかった』、『これならまた受けても良いかな』と言われるような検査を心掛けています。
結果として胃がんで苦しむ方、胃がんで亡くなる方が一人でも少なくなることを願っています。
ゆぐちクリニックの胃カメラ検査(上部内視鏡検査)のご案内
ゆぐちクリニックでは当日の検査も可能です。
また日中お忙しい方は夕方でも検査をお受けいただけます。
鎮静剤を使用するかどうか、口から入れるか鼻から入れるかなどの具体的な方法については患者さんとご相談の上決めていきますので、まずは一度ご相談頂ければと思います。
西宮市胃がん(内視鏡)検診
令和3年10月より、西宮市胃がん(内視鏡)検診が始まります。
- 当クリニックは西宮市胃がん(内視鏡)検診の委託医療機関です。
- 50歳以上で、年度末時点の年齢が偶数年齢の西宮市民の方、かつ同一年度に西宮市が実施する胃がん(バリウム)検診を受診していない方が対象となります。
※同一年度に受診できるのは「バリウム」または「内視鏡」のどちらか1つです。 - 詳細については下記西宮市ホームページをご確認ください。