緊急避妊ピル(アフターピル)について
緊急避妊ピル(アフターピル)について
アフターピル(緊急避妊ピル)とは避妊に失敗した、または避妊せずに行った性交後72時間以内に緊急的に用いる避妊薬です。
72時間以内に速やかに所要量のピルを服用することで妊娠を回避できるというものです。
服用はクリニック内でしていただきます。
アフターピルの妊娠防止は100%という確証は無く、正しく服用した場合でも妊娠を防止できないケースがあります。服用後の効果を認識することもできません。その後の生理の有無で初めて効果を確認できます。
必要なケース
- コンドームが破れたり外れたりした場合
- 避妊をしない性交後
- 低用量ピルの内服忘れや下痢などによるピルの吸収障害
作用機序
アフターピルの作用機序は十分に解明されていませんが、その効果は主に着床の阻害よりも排卵の抑制あるいは排卵の遅延によるものと考えられています。
ピルは妊娠を予防する薬であり、中絶薬ではありません。
受精後、1週間経過し、既に妊娠していた場合は緊急避妊ピル(アフターピル)の効果はありません。
ノルレボ法とヤッペ法の比較
ノルレボ法 | ヤッペ法 | |
---|---|---|
登録例数 | 1001人 | 997人 |
妊娠例数 | 11人 | 31人 |
非妊娠率 | 98.9% | 96.8% |
妊娠阻止率 | 85% | 57% |
※WHO 1998年試験 Lancet,352:428-433,1998
※非妊娠率:生理周期に関係なく内服した時の妊娠しなかった割合
※妊娠阻止率:生理周期から妊娠の可能性がある時期に内服した時の妊娠しなかった割合
妊娠阻止率
妊娠阻止率とは排卵日付近の性行為で、妊娠しないようにできる確率のことです。
排卵日付近の場合、上述の通り、ノルレボ法で約15%、ヤッペ法で43%が妊娠してしまうことになります。
緊急避妊ピル(アフターピル)は万全ではなく、100%妊娠を回避できるものではありません。
妊娠阻止率は性行為後の時間経過とともに低下します。可能な限り早期の服用が有効です。
内服方法
ノルレボ法
- レボノルゲストレルという黄体ホルモン剤1.5mgを性交後72時間以内に1回内服します。
ヤッペ法
- ホルモン配合剤ピル(エチニルエストラジオール+ノルエチステロン)を性交後72時間以内に2錠内服し、さらにその12時間後に2錠内服します。
副作用
ヤッペ法の副作用は吐き気ですが、ノルレボ法では服用後の吐き気は殆どみられず服用者の3.6%に悪心が認められた程度です。
内服後
妊娠が回避できたかどうかの判定
アフターピル内服後は、80%以上の女性が予定生理日前、もしくは2日後以内に生理様出血があります。
95%の方が予定生理日の7日後以内に生理様出血があります。
下記への留意も必要です。
- アフターピル内服後、生理様出血があるまでは、性交渉は控えましょう。
- 生理様出血が、予定生理日より7日以上遅れた場合、あるいは通常より軽い場合はご来院ください。ご自分で市販の妊娠反応チェッカーを用いて確認いただくことも可能です。
- 市販チェッカーを選ぶ際、妊娠反応に敏感なhCG 25IU(25単位)のものを用いることをお奨めいたします。hCG 50IU(50単位)以上のタイプは反応が出ない場合もあるため注意が必要です。
妊娠が回避できた場合
妊娠が回避できた場合は、今後は確実な避妊方法を選択することをお奨めいたします。
人工妊娠中絶は、女性にとって、精神的、身体的、経済的にも負担が大きい処置です。
緊急避妊ピル料金
ノルレボ法 | 8,000円 (税込8,800円) |
---|---|
ヤッペ法 | 3,000円 (税込3,300円) |
初診料について
初診料 | 3,000円 |
---|
※相談のみで服薬を希望されない場合でも初診料(自費)が必要となります。